信用取引は使った方がいいの?信用倍率はどう見るの?

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信用取引は株式取引において、非常に大事な要素と思いますので、私なりの見解をこちらでまとめておこうと思いました。

特に、億を稼ぐには、信用取引が良いという何の根拠もないフレーズに流されずに、そのリスクと特徴を理解した上で、取引をしていくのが、効果的で最大利益を狙う方法だと思います。

特に信用取引の売りにおいては、家まで失うという名言もあります。買建ては株価0円で下げ止まりますが、売建て時は、上昇に際限はありませんので、全財産を失うまで損失が出るという事があります。私も去年、デイトレで安易に空売りを仕掛けて、わずか数分で損失17万円という、正気を失う事態がありました。以来、買い建てのみしか取引をしないと心に決めました(苦笑)。AIも入っている為、個人の空売りは絶好の狩られ場になりやすいです。ですので、信用の売り建ては本当に気を付けて取引をして下さい。

信用取引で、最も有効な取引方法は、つなぎ売り時かと思いますので、そちらについても追記しました。

信用取引とは

信用取引とは、簡単に説明すれば、証券会社よりお金を借りて、より多くの株式取引ができる仕組みです。例を挙げれば、銀行から土地や預金を担保にお金を借りる仕組みと同じです。

証券会社に担保として一定の金額を預け入れ、その倍以上のお金を借りて、株式取引を行い、利益を出した後に、金利と借りたお金を返還するという仕組みのものです。

信用取引は、金貸しと同じ事ですので、リスクを伴う事を理解して利用しましょう

信用取引のリスクと金利

① お金を借りている以上、いつかは返さなくてはいけませんし、さらに借りている為、日々、支払い金利が発生します。この金利については、消費者金融から借りる金利よりは、はるかに低いものであるので、借りやすいと思われます。楽天証券での買い方と売り方時の金利は以下の通りです。

楽天証券
(楽天証券より)買い方時の金利
楽天証券
(楽天証券より)売り方時の貸株料

金利が発生するという事は、長期で持てば持つほど、その分の株価差益が無ければ、利益とならない為、上昇待ちとなる時間が長くなります=利益が取れる機会がドンドン減っていく。そして、いつしか、最悪の事態となると、いくら待てども、金利支払いだけが残るといったシナリオとなってしまいます。

具体的に数値を出して計算してみると、例として、2000円/1株の株を100株、一般信用(無制限)で買い建てしたとします。その場合、2.8%の金利がかかりますので、2000×100×0.028÷365(1日計算)=15.34円/日の金利がかかる事になります。つまり1日で15円ずつ損失が出ていく事になるので、10日売れ残ったら、150円の損失となり、2円以上株価が上昇しなければ、利益が出ない事になります。

② 金利以外にも信用取引時には、売買手数料・事務管理費・名義書換料(権利処理手数料)といった諸々の手数料がかかります。こちらも費用としては微々たるものですが、現物取引時はかからないものだったりするので、気に留めておきましょう。一覧内容は以下の通りです。

楽天証券
(楽天証券より)

信用売りの場合は、さらに配当の支払いがあります。本来、買い方であれば、受け取れるはずの配当が権利日時点で信用売りをしている場合は、配当の支払いとなりますので、配当落ち日での下落を狙う方はその点も考慮して行う必要があります。高配当銘柄であれば、その分、支払額も多くなり、結果、株価差分による利益よりも配当の支払いの方が多くなる可能性もあります。

担保不足になった時の追証がある。これが最も恐ろしいリスクと言えます。信用取引においては担保を入れて、その担保を基にお金を借りています。信用取引を行った際に、その株式が順調に上向いていれば何の問題もありませんが、逆に損失になっている場合には、担保が足りなくなる場合があり、その場合、担保の追加を求められる事になります。これが追証です。この担保の追加ができない場合、株式の強制ロスカットによる資金回収が行われる事になります。これにより多大な損失を被る事になります。多くの信用取引をしていて、一斉に株価の下落が起こった場合には、一瞬で全損という事も起こり得ます。

信用取引の種類

信用取引には、制度信用、一般信用(無期限)、一般信用(短期14日位)、一日信用というものがあります。それぞれの取引の違いは以下の通り。

また、その選定基準は以下の通りとなっており、一般信用においては、証券会社による選定基準となっている為、上場初日から取引が可能とケースもあります。

楽天証券
(楽天証券より)

全銘柄において、全ての信用取引ができる訳ではありません。一般信用はほぼ全ての銘柄(90%以上)で取引が可能ですが、制度信用は取引所が決めた銘柄となる為、確認が必要です。銘柄の中で「賃借銘柄」となっているものが、制度信用において、売建/買建の両方が可能なものとなっています。

また、取引が可能な株式だったとしても、注文が殺到して、貸せる株式が無い場合は、取引規制等がかかり、取引ができない場合もあります。

株探の銘柄情報欄にて、赤枠部分で「賃借」となっている銘柄が制度信用が可能な銘柄となります。

株探
(株探より)

信用取引の量を確認する方法

信用取引量については、株探やヤフーファイナンス等でも週次で確認が可能となっています。しかし、日次で確認をしたいという事であれば、日本取引所のHPにて、前日の取引内容を無料で公開していますので、誰でも見る事が可能です(下記画像参照)。

株探
(株探より)
日本取引所グループ
(日本取引所グループより)

信用取引残高等 | 日本取引所グループ (jpx.co.jp)

信用取引の量や信用倍率から見る将来の株価予想について

信用取引の内容については、上記の内容で分かったと思います。この事から、信用買いが多いと、将来的には長期保有が難しい事から売り圧がかかる。また逆に信用売りが多い場合は、買い圧がかかると考えられています。信用買いの多い銘柄は、近い将来にその分の売りが出るだろうと予測されるという事です。とはいえ、それを上回る買いが入れば、株価が下がるとは言えない為、「信用買いが多い=株価が下落するとは言えない」、と私は思います。ただ、可能性としては、それだけ魅力がある銘柄となるには、ハードルはかなり高いものが要求されると思います。

信用倍率は(信用買い÷信用売り)の計算式となっていますので、1より大きければ大きい程、信用売りに対する信用買いが沢山あり、1より低ければ低い程、信用買いに対する信用売りが沢山入っている事になります。倍率が高い=信用買いが多いではないです。率が多いという事であって、量の多さは発行株式数によって異なってくる為、100株しか信用買いが無かったとしても、信用売りが1株であれば、100倍となってしまいますので、実際の量を見てみる事が大事だと思います。

つなぎ売りのやり方について

下記リンクより、つなぎ売りのやり方やそのメリット/デメリットについて記載しています。

まとめ

信用取引は多くのリスクと無駄な金利の支払いが発生します。その為、手軽に利用する事はしない方が良いと考えられます。「ここぞ!、必ず上がる!」と言ういざという時の為に使うのが最も効果的と考えられます。そして、もし反対に動いた時は、すぐに損切をするという事を意識しましょう。長期で持つ意味は全くありません(信用取引のリスクと金利を参照)。

基本的には、現物での取引を行うようにしましょう。

そして、短期間での、かつ必勝が出来そうな場面での勝ち確定の利益を沢山取りたい。といった場面で効果的に使う事で、より多くの集中した利益アップが望めると考えられます。

小資金だから、沢山取引をすれば儲かるといった安易な利用は全くお勧めできませんそれは、単純にお金を捨てているようなものです。

もっと株式投資を勉強したい方は下記リンクからご覧下さい。

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